わたしたちが、おうちがほしい、と思ったのはいつだろう。
一緒に暮らし始めたのは結婚する1年とちょっと前で、でもその頃は都会のマンションに住んで、二人とも「便利〜♪」と思っていたから、その都会に家を買うなんて全く思っていなかった。
結婚して、しばらくはそのマンションにいて、子供はしばらく作らない予定でいて、だけどときどき思うのは「ここで子育ては無理だなぁ」ということ。だって、夜8時でも、近所のコンビニでは泣き叫ぶ男女がけんかしていたり、夜中も車がぶんぶん走っていたり、後をつけられて怖い思いをしたり、なにより、緑がなかった。
緑がなくても都会のマンションで暮らしている家族がたくさんいるのは分かっていたけど、緑しかないような田舎で産まれて、高校まで田圃道を30分自転車で通っていた私には純粋に無理だった。
幸い、オットも似たような考えだったけど、やっぱり初めて住む土地って生活の仕方だったり、街の空気だったり、そんなのがわからないからできれば賃貸で何年か住んで、その街に根を下ろしたいって思ったらそこにおうちが買えたらいいね、なんて話していた。
で。
オットの実家の近くの程よい田舎で賃貸マンションを見つけて住み始めたのが、4年ちょっと前の話。
この街は快適で、程よく田舎で、でも便利で、街の人も優しくて、私はここがとても好きになった。
そんなある日。
我が家にいきなりぱおが現れた。
ぱおは、あっという間に大きくなって、そして家中を走り始めた(笑)
あっちへいって、ばぁ!
こっちへいって、ばぁ!
でも、外に出るともっと嬉しそう。
保育園でも、広い教室でいつも走り回っているぱお。
私も夫も働いているから、平日は家の中でしか走り回らせてあげられない。
目の届くお庭があったらいいのになぁ。
もう一つの問題点。
今のマンションは、割と明るい。
リビングと、寝室は。
でも、寝室の隣の和室は昼でも電気がいるし
玄関横の4畳半なんて暗いし、かびるし、結露するし、納戸にしか使えない。
あっという間に増えるぱおの物・・・。
どの部屋でもお日様と風を感じて暮らせるといいのになぁ。
そして、マンションだとかなえられない私の趣味・・・。
ピアノ、弾きたいなぁ・・・
と、いうわけで、
「これからのぱおが大きくなっていく時間を、楽しんでいきたい!」と思ったときに、それまでなんだか「夢のマイホーム」だったおうちのことが、近未来のことに、なりました。
これが2009年夏ころの、お話。